特例子会社の視察(株式会社西友サービス)

 平成21年8月17日、当法人(かんな会)と群馬県内の社会福祉法人の方々の7名で埼玉県川越市内にある特例子会社、株式会社西友サービスの視察に 出向きました。

 

(株)西友サービスの設立経緯 は

 2001年3月、前身の(株)西友フーズサービスに変わり、 (株)西友フーズと(株)西友の統合をきっかけに特例子会社として認定されました。

(株)西友サービスの経営理念 は

 「自立」・・・障害を持つ人の職業的・社会的自立と会社の経営的自立

を目指しています。

(株)西友サービスの特徴 として

 @障害者の部位・程度が多岐にわたっている。

 A営業内容が多岐にわたっている。

 B健常者と共生している。

 以上のことが挙げられます。

(株)西友サービスの事業部門 の紹介

@事務代行部門

 身体障害者の方が多く働いている。車椅子に乗られて業務をされている方もいて、スライドドアで段差がなく、コードは天井からつながれていて通路の幅が確保されている。

A仕分管理部門

仕分管理部門

 文書メール物の仕分管理が業務となっている。隣では用度品のピッキング作業も行っている。知的障害者の方が多く働 いている。ここでは表が作られていて、間違いがないか確認できるように配慮されている。

Bクリーニング部門

 食品関連ユニフォームのクリーニング作業を行っている。業務用の大きなクリーニングマシンが数台置かれていることに気づく。機械は半自動化にして、手作業でできるようにして雇用の創出に結び付けている。

C広告制作部門

広告制作部門

 大きな印刷機械が置かれている。ここでは文書印刷・製本、名刺印刷、POP印刷等の作業が行われている。印刷機に改良を加えて車椅子でも手が届くように配慮され、裁断機はランプがつく装置をつけ聴覚障害の方にも電源が入っていることがわかるようにしてある。ここでは身体障害者の方と知的障害者の方が働 いている。

D畜産PC部門

畜産物の盛り付け作業を行う部門である。

 

まとめ

 今回の視察を行った目的は、特例子会社を設立する経緯と群馬県に特例子会社を普及させる手段、そこで働く障害者の雇用促進の方法を学ぶためでした。

 特例子会社を設立する経緯については、前身となった会社がもともと障害者を雇い入れていたことで特例子会社を設立する環境が整っていた事が挙げられます。また、(株)西友という大企業との提携があった事も、設立を後押ししたと考えられます。

 特例子会社を普及させる手段としては、いろいろな方法が考えられますが(株)西友サービスの場合、設立当時に営業の社員の方が業務の受注に尽力されていたということを聞きました。そのため、会社の営業内容が多岐にわたっていて、その事が会社の経営状態にも反映され、発展の礎になったと考えられます。

 障害者の雇用促進の方法については、健全な生活習慣を身につける事が基本となり、社会生活を営むスキルの土台になると視察時の談話の中で(株)西友サービスの方が話されていました。例えば、毎日決まった時間に起きること、一日三食を摂るように心がけること、そして、病状の理解をすることです。このことは、障害者の方が職場に定着する基本となる事であり、これを当法人をはじめ、支援者がサポートしていく事が障害者雇用の促進につながるのではないかと感じました。